ハードボイルド 2

もう少しするとニューヨークに到着する。こんな時にいつも思い出します。あの頃を。飛行機がLAに到着して、携帯のスイッチを入れると、彼女からの伝言が一通。
「ちょっと仕事で、アーバインへ行かないと行けなくなって、待ち合わせ時間に遅れます。」
仕事をすませ、ホテルで待っていても、連絡がない。仕事はもう終わっているだろうと、携帯に電話してもかからない。次の日ホテルに帰って待っていても連絡がない。。また携帯に、電話するがかからない。。。
メールも帰って来ない。。
2日目の夜も彼女は現れない。私はホテルの部屋のそれ程大きくないベランダでスターバックスで買った珈琲を左手に、何本も煙草を吸って彼女からの返事を待った。考えてみると彼女の何を知っていると言うのか?携帯番号。Eメールアドレス。それから?東京出身。大学と仕事?
彼女の住んでいる所?本当に彼女について知っているのか?
きっかけは、こうだ。
LAに出張で、いつものとおり、JAZZのCDが、手に入る店と宿泊ホテルの近くのレストランをインターネットで探す内、掲示板で一人の女性から教えてもらった。ついでに、その店へ彼女を誘ってご馳走をした。2回目の出張からはレストランで食事の後、この煙草を吸ってるベランダのあるホテルへ彼女を誘った。またはホテルへ誘ってから、食事へ出かけた。
そんな彼の話をLAのホテルのラウンジでで聞いて、アトランターニューヨーク。そしてニューヨークのJAL便の中でサントリーの白州を飲みながらiPhoneに入っているCD ビルエヴァンス を聴いて、フェンダーローズのWaltz for Debbyもいいなと思ったら記憶がなくなって、気がつくと2週間ぶりの成田空港へ着いていた。ハードボイルドな話はまだ終わらない。