Oslo コンサートと66年コンサート カップリングDVD


■OSLO MUNCH MUSEUM, 1966年10月28日この時期のヨーロッパツアーではデンマーク人のアレックスリールがドラムで参加は珍しい。
EDDIE GOMEZ(b), ALEX RIEL(ds)
1.VERY EARLY
2.STELLA BY STARLIGHT
3.IF YOU COULD SEE ME NOW
4.AUTUMN LEAVES
5.TIME REMEMBRED
6.NARDIS
7.FIVE
■MOLDE JAZZ FESTIVAL, 1980年8月9日
MARC JOHNSON(b),JOE LA BARBERA(ds)
8.PERSON I KNEW
9.DAYS OF WINE AND ROSES
10.YOUR STORY
11.NARDIS
12.AFTER CONCERT INTERVIEW


インタビュー記事インターネットに掲載されていた。凄い。サイトに感謝。

http://d.hatena.ne.jp/MilesD/touch/20120112/1326387487
IV(インタビューアー):すばらしい演奏でした。

BV(ビル・エバンス):ありがとう。

IV: 目隠しテストですよ、これが何だか分かりますか?(カセットテープを掛ける)

♪ ♪ ♪

BV:(即座に)ああ、分かりますよ、I LOVE YOU ですね・・

IV: そうです。これは貴方の最初のアルバムですね。

参考:http://en.wikipedia.org/wiki/New_Jazz_Conceptions

BV: いやぁ・・これは随分昔だけど、未だに演奏してエンジョイしているよ。

IV: 自分の昔の演奏を聞くことはありますか?

BV: 実は何年も自分の演奏を聴くなんていう事はなかったんだ。でも、いろいろと学ぼうと思ってね。ここ数年の話だけど最近になって昔の自分の演奏を聴くようになったよ、ずーっと前のやつも含めてね。

昔の自分の演奏を聞くことで、以前やっていたことでもうやらなくなった事とか、あるいは、その逆とか、いろいろと学べることがあるのさ。最近になって自分の演奏を、他の人の演奏を聴くようか感じでより客観的に聴けるようになった。だから・・うん自分の演奏を聴くようなったよ。

IV: 今聴いてもらった演奏はもう25年も前のもので・・

BV:そうだね、うん・・

IV: その後、50年代の終わりから、マイルス・デイビスとの共演があり、レコードも一緒に作りましたね。

BV: そうですね。幾つかを一緒にやりました。

IV: そのマイルス・デイビスとの共演で、どのレコードがもっともエンジョイしましたか?

BV: そうだね・・・Green Dolphin Street やStella by Starlight のセッションは両方とも・・あと、Love for Saleなんかも・・・・・あ、あと、これは最近の事だけど、自分達は録音されている事すら知らなかったセッションが発売されたね。Jazz at the Plaza というタイトルのパーティだったけど。このレコードを私が好きな理由は、これはフィリー・ジョー・ジョーンズが未だにバンドにいる時なのに、Green Dolphin Street と Kind of Blueのトラックは ジミー・コブがやっているんだ。

これは、その当時のこのバンドが、フィリー・ジョー・ジョーンズだとどういう風に響き、ジミー・コブ(*)だとどうなっていたのかを教えてくれる良い例なんだ。

もちろん、(最初の質問だけど)Kind of Blue が3つのアルバムの中では一番人気はあるよね。

IV: そのカインド・オブ・ブルーのアルバムは、一日で録音が終了した、と聞いていますが?

BV:そうです。その通りです。・・うん、とても早く終えたね・・・。

IV: それは、あなたにとっても特別な経験でしたか?

BV: うぅ〜ん、まあ、それは・・・・あのような特別なミュージシャン達と一緒に演奏する時は、何時でも特別な経験だけどね・・・でも・・・プロのミュージシャンとして、みんながベストをつくしたという事だと思いますよ。それと、あの(カインド・オブ・ブルーの)セッションの日は、みんなの間に働くケミストリー(通じ合うお互いの気持)が他の日より少し良かったのかもしれません。でもそれは予測できないことでね。我々に出来る事と言えは、良いプロフェッショナルとして絶えず良い仕事をすること、それが通常のプロの以上の、より良い結果として出て来るんだよ。

IV:最近マイルス・デイビスとは連絡を取っていますか?

BV:、まあね。彼を見たのは・・・もう一年も前の話しになるかな。ほら、いろんな噂がはびこっているだろう・・・マイルスはとても病気で死にそうだとか、いや、元気にしていたよ・・・とか、

IV: 私も噂を聞いたのですが、来週にはスタジオに戻るらしいですね。

BV:、私も同じような噂をききましたけど、スタジオに行くかもしれない、行って録音しないかもしれない、行かないも知れない、私にはわかりませんね。私が知っていることは、この前マイルスにあったときには、マイルスは公の場所で演奏する気はないみたいだった、という事だけど、・・よくは分からないよ。

IV: あなたはずーとトリオで演奏していますね。

BV: はい。

IV: なんでトリオが良いのですか?

BV:うーーん、私にとってトリオはとてもピュアーなグループだという事だね。それに、トリオだと私はより自由に曲をコントルール出来るという事もあるし、(ぅ〜〜と吐き気・・)失礼。

あと、トリオだと、曲の形を整える事ができるし(I can shape the music)、主題に乗って漂う事も出来る。

三人は話す必要もなく音楽という手法だけでお互いのコミュニケーションを取れるんだ。それが完全な音楽的な体験となるのだけど、それはバンドだけじゃなくて、聴衆も含んだ包括的な音楽的体験となるだよ。それが(トリオであることの)中心的な理由だけど・・・ホーン(管楽器)も嫌いじゃないんだ。今までホーンと一緒のレコーディングも何回もやって楽しかったし。でも、たった一本の管楽器でも、それは音楽的なコンセプトを完全に変えてしまう事になるんだ。それはちょっと自分の手にはおえない事でね。

(ー ビル・エバンスのろれつが怪しくなってきている ー )

IV: 今日の聴衆はどう思いましたか?

BV:、とても素晴らしい人々でしたよ。

IV: 今日も気づいたことですが、あなたの聴衆には若い人が多くなっていますね。

BV: そうですね。どこでもそういう傾向がありますよ・・・80%は若い人じゃないかな。

(ジャズ業界は)若い人を差別しているじゃないのかなぁ。

( ー 疲れてきた感じ、で ー )

IV: 若い人がジャズを聞くようになっているのはなぜでしょうね?

BV: きっと若い人達は、”より深い経験(deeper experience)”を求めているじゃないかな。頭をごつんと殴られたような経験をしたい人もいるだろうし、何かを感じる程に強く打たれたいと思っている人もいるだろう。

さらに、自分の内部に入り込んで、もっと他の”豊かさ”を見つけ出そうとしている人もいるのだろう。

でもね、いつものことだけど、そういう人々は聴衆の多数派じゃないんだ。

(ー ますます、喋り方が怪しくなってきている ー )

大多数の人々は、自分からチャレンジすることもしないで、誰かが何かをしてくれるを待っているだけだし、参加することすらしないんだ。

でもね、絶えずいるんだよ・・・そうだね・・・おそらく15%・・・うぅうん・・15%くらいの人だけど、絶えず何かを探し求めて、もっと何かがあるじゃないかと探しているんだ。それが芸術(Art)というものだろう。

IV: 聴衆の反応というのは、プレイに影響するものですか?

BV: (ちょっと考えて・・)ぅううん、それはもっとも重要な事ではないね。私にとって確かにとても意味のあることだけど、自分の演奏に真に何が起こっているのかを知っているのは私だけなんだ。演奏中に何かが起こっている時は、確かに聴衆の人達にはそれが分かるんだ。でも、分かってはいるけど、私に感じられる程の本来のもっと深いところまでは分からない事があるよ。でも、逆にね、私には何にも起こってないのに、聴取の人達がやたら反応してくる時もある。それはそれで正しいのだろうと思いますよ。私たちはプロだし、プロとしてある程度のレベルの事は絶えずやっているのだからね。

IV: 今のトリオについは・・

BV:、そうだね・・今のトリオを組んでもう3年近くになるけど、すごく気に入っている。とても活気のあるトリオで、音楽にも活気がある。おそらく今までのトリオで最高のものだと思っている。

IV: 以前のトリオと比べることがありますか。

BV:、いや、音楽の”質”という面から比較することは殆ど無いけど、”性格(キャラクター)”という面からすると、今のトリオは、私が持ったトリオのなかでは、最初のトリオに最も似ていると思う。

うん、そうだ、絶対にそうだね。どれよりも最初のトリオに似ているよ。

特に音楽がトリオの間で自然と進化して成長していくっていうのが最初のトリオと似ているよ。

でも、私の持ったすべてのトリオが好きだし、それぞれに特別の経験があるけどね。

OK,時間がアップだ。(笑う)

IV: お話できてとても良かったです。

今笑っておられますが、あなたのレコードのカバーは、すべてシリアスな表情ですね・・・

BV: そうなんですよね・・そういう風な写真を使いたがるんですね。4枚写真のうち3枚が笑っていても、笑っていない一枚の写真を使うんですよ・・(笑う)。

IV: これからイタリアへ行かないといけないんですね、どうもありがとうございました。

(ほかの人) ー 写真撮れませんか?

BV:、 いや、もうほんとに時間がないんだよ。飛行機に遅れちゃうよ。すまないね。

今のインタビューの間に撮れなかったのかい・・。