ハードボイルド13 オリンキープニュースThe solo session2 Autumn in New York

オリンキープニュースはこのアルバムを世に出すことを忘れていた。こんな素晴らしいものをなぜ出さなかったと後で悔やんだ。
1963年 まだリバーサイドでアルバムを1枚録音する契約になっていたエヴァンスはオリンキープニュースとスタジオに入った。ソロアルバムとしてはAlone Verveの方が有名であるがこちらの方が先。
たぶん有名なAloneのようにあらかじめ発売される事を準備したアルバムではない。Aloneはあらかじめ曲を選定しコード進行も原曲からアレンジし直し、アドリブ含めて事前に結構練習してると思う。
今回はなんの準備もなくピアノに座った。
これはビルをオリンキープニュースが無理矢理スタジオに引っ張っていったからだ。ライブが終わりウイスキーを飲んでいるエヴァンスを今日が期限と1月末までの録音の契約書を見せ、若干の支払いをちらつかせスタジオへ押し込んだ。lame-duckとオリンキープニュースは表現している。ビルがまもなくVerveへ移籍する事、リバーサイドの倒産も予言している。電話をかけて、帰る予定のレコーディング エンジニアのBill Schwartauも待たせた。
真夜中 ビルエヴァンスはピアノの前に座り、おもむろにWhat kind of fool am I ?を弾いた。即興にもかかわらず、これはエヴァンスが1980 に死ぬまでに弾いた中で一番美しい。
お城のライブよりもこのなかで録音された I love you Porgyが好きだ。
ソロNo2の最後の曲はジョージラッセルNew York N.YでやったAutumn in New York/How about youのソロを思い出した。New York N.Y.と聴き比べると面白い。

ハードボイルド13)
仕事が終わった木曜の午後、Emailで約束の場所へレンタカーで行く。待ちわせ10分前に着くと、彼女は待っていてくれた。
今 車もないし、携帯持ってないから会えなかったらどうしようと思った。
車で10分くらいにあるRedondo Beach。
海が見えるイタリア料理の店で僕たちはPan-fried Duck liverをツマミにサミエルアダムスを飲んだ。
どうしていたの?
それには答えず、彼女は海を見ていた。
あの電話の伝言の後、車の事故で入院でもしているのかと、随分心配したよ。。。。
何故突然消えてしまったのか、その理由はは何も言わず、ゴメンなさいと一言。
君の結婚式の夢を見たよ。。。
そう言うとアハハと彼女は小さな声で笑った。その笑い顔は素敵だ。