Simple matter of conviction 納得できるシンプルな事 ハードボイルド16

A simple matter of conviction
Empathy と2アルバムカップリングのCDを持っていて、最初のノリのないブルースの曲を諦め、曲をスキップするもそれで終わりのまま。久しぶりにshmのCDで聴くとシェリーマンのドラムの澄んでいてリズムもいい。
これが作られたのは50年も前の1966年
なのにドラムは今夜弾いているようなクリヤーな音。彼ほど細かで軽快で切れのあるスネアの音を出す人はいない。よく言われるインタープレイも本来はベースとピアノが実質にもかかわらず、本当の意味で3者のインタープレイだ。Empathy で出来なかった一体感がここでは感じられる。なのにSACDはEmpathy のみ。ベースのエディゴメスにとってはエヴァンスとの初共演であり、のちのでしゃばりようなベースでなくて快い。

ハードボイルド16)
大阪。
ずっと前に行っていたJAZZバーに行った。
ずっと会わなかった友人レフティーに会いに。
JAZZバーは昔のままの場所で、そのままのまの名前でそのままの内装だったけれど、オーナーは店を売り今は知らない人だ。
友人レフティもそのころビジネス上関係のあった総合商社辞めて今は外資。。年収も一本。その一本の言葉は年収が1,000万でないことは彼の表情を見ればわかる。日本を捨てたんだと自重気味に彼は言う。
バブルは終わり、レフティの属していた商社は、救済のためより大手の商社を吸収合併した。やり手と言われた社長は銀行筋のだまし討ち(そう噂された)にあい本来倒産するはずの商社からの社長に代わり、その内紛のため彼の出世コースは外れた。そして外資からのヘッドハンティングで彼曰くの年収のかわりに日本を売り渡すことにした。
昔のような良い音のならないオープンリールからJAZZが流れながら、
何故俺のように日本を捨てないのかと言う。
グリーンカードも取得したんだから、そのままnaturalizationしてアメリカ人になっちまえ。
今の仕事は嫌いじゃない。そしてお前のようには行かない。不器用な人間にはそれなりの生き方がある。
薬価基準。知っているか? 基準を厳しくして、20年前なら基準値なのに、血X値を基準値こえたと言って、糖X病に仕立て上げる。糖X薬が必要。ジェネリックの方が特許費用がなく安い。薬局の窓口で成分が同じのジェネリック薬品にされますか?と質問したら誰もがジェネリックを選択する。その糖X薬、ジェネリックとの値段の差誰も質問しない。いくら差があると思う?答えは0円。ジェネリック薬品にしてもなにも日本人の患者には変わらない。おれの仕事じゃない。儲かるのはアXXカナンバー1の製薬会社と俺の知り合いの年収が一本になる。
とレフティは言った。
まさに
Simple matter of conviction
納得できるシンプルな事

でもね
ビジネスは生き方だ。
と私が呟くと

今までの話は全部嘘だ。
レフティはニコッと微笑んだ。


ア・シンプル・マター・オブ・コンヴィクション

ア・シンプル・マター・オブ・コンヴィクション

  • アーティスト: ビル・エヴァンス・トリオ,ビル・エヴァンス,エディ・ゴメス,シェリー・マン
  • 出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック クラシック
  • 発売日: 2012/03/21
  • メディア: CD
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Empathy: Simple Matter of Conviction

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